原酒(げんしゅ)

原酒(げんしゅ)とは、搾った酒を水で割らないものを差します。

搾った直後のお酒は、アルコール度数が20度から22度くらいあり非常に強いお酒です。

これに水を加え調整することを加水調整と言い、アルコール度数によって酒税が決まる点や飲み易い度数(約15度)にするためにこの作業を行います。


生酒と間違え易いですが、生酒は加熱処理しないもの

原酒は加水調整しないもの

この2点のどちらもしないものを「生原酒(なまげんしゅ)」と呼びます。

生詰酒(なまづめしゅ)

生詰酒(なまづめしゅ)は、酒を搾った直後に火入れ(加熱殺菌)を行い、出荷時(瓶詰め時)には火入れを行わない酒を指します。

通常日本酒は搾った後と出荷時の2度火入れを行いますが、生詰酒は搾った直後の1度のみです。

代表的な生詰酒は、各蔵元から秋ごろ出荷される「ひやおろし」がそれに当たります。

ただし、現在はひやおろし=生詰酒の定義を崩しているひやおろしもあります。


混同し易いのが「生貯蔵酒」で、こちらは搾った酒を生のまま貯蔵し、出荷時に1度火入れを行うタイプのお酒です。

生貯蔵酒

生貯蔵酒(なまちょぞうしゅ)は、搾った酒を火入れせずにタンクで貯蔵し、出荷時(瓶詰め時)に一度火入れを行うタイプの酒をいいます。

通常の日本酒は、搾った直後と出荷時に2度火入れを行います。

文字通り「生」で「貯蔵した」お酒で、生酒の風味を残す製法です。

酒質も冷酒向きの酒となります。


また混同し易い「生詰酒」は、搾った直後に火入れを行い、出荷時は火入れを行わない酒を言います。

生酒(なまざけ・なましゅ)

生酒(なまざけ)とは、醪(もろみ)を搾った後に一切火入れ(加熱処理)しない酒を指します。

加水調整をしたり、醸造アルコールを添加しても、火入れさえしなければ「生酒」となります。


生酒は文字通り生のお酒ですので、温度による劣化を招き易く、通常は要冷蔵商品となります。

搾ったあとすぐに飲む生酒と一定期間冷蔵保存された生酒の味わいは全く違うものとなるので、

後者は通好みの飲み方でもあります。


似たような言葉で「生貯蔵酒」「生詰酒」などがありますが、こちらは最低一回の火入れを行っているので生酒ではありません。

普通酒(ふつうしゅ)

普通酒はその名の通りスタンダードな定番酒であります。

多くの蔵元の普通酒は、級別廃止前の2級酒を指すことが多く、晩酌酒として愛されてきました。

普通酒=三増酒と考えてる方がいっらっしゃいますが、決してそうではなく、蔵の酒造りの方向性や味わいを知るためのバロメーター的な役割を持ったれっきとした清酒です。

特定名称酒と呼ばれる本醸造、純米酒、吟醸酒の規格外の清酒を普通酒と呼ぶことが多く、普通酒を妥協して造っている蔵元の酒は個人的に期待できません。

新潟県の普通酒はレベルが高く、精米歩合も60%台後半の酒が多いことが特徴です。

そして普通酒は、毎日飲める晩酌酒として飲み飽きしない性質を持ち合わせており、多くの料理とも合わせ易い一般的にオールマイティな酒です。

普通酒だって侮れません、美味しい日本酒です。

本醸造酒は、米、米麹、醸造アルコール、水を原料とし

精米歩合70%以下のものを「本醸造酒」

精米歩合60%以下で、原料や製造方法について客観的に優れているものを「特別本醸造酒」

と呼びます。


また、醸造アルコールは仕込みの米の重さの10%以下と定められております。


新潟県の本醸造酒、特別本醸造酒は、精米をその規定より更に進めたものが多く

本醸造酒では60%台、特別本醸造酒では50%台の精米歩合が特徴です。

磨くことにより、高品質で、淡麗・きれいな酒が誕生します。

純米酒(じゅんまいしゅ)

日本酒の原点であり、純米酒でないと日本酒でないと言われる方もいらっしゃいます。

個人的にはそうは思わないのですが、それはさて置きまずは定義から

まずは、米、米麹、水だけを原料とし、醸造したお酒のみが純米酒と名乗れます。

精米歩合50%以下で吟醸造りをしたものを「純米大吟醸酒」

精米歩合60%以下で吟醸造りをしたものを「純米吟醸酒」

精米歩合60%以下で原料や製造方法が客観的に優れているものを「特別純米酒」

と呼びます。


純米酒は米の味が感じられ、旨みやコクがある力強い酒になります。

冷酒、常温、燗酒と飲む温度帯で表情を変え、飲む人を飽きさせない玄人好みのお酒でもあります。

吟醸酒(ぎんじょうしゅ)

大まかに言うと

まず精米歩合60%以下のものを「吟醸酒」

精米歩合50%以下のものを「大吟醸酒」

と呼びます。


しかし、精米歩合だけでは名乗ることができません。

吟醸酒、大吟醸酒に共通していることは

吟醸造りと呼ばれる低温で時間をかけて醸造した酒でなくてはなりません。

また、醸造アルコールの使用量は仕込みに使用する米の重さの10パーセント以下

そして、出来上がった酒の品質で吟醸香がして、色・ツヤともに良いもの(大吟醸は特に)

といった定義があります。


昔は吟醸酒は、コンテストや品評会に出品する専用のお酒でした。

文字通り杜氏や蔵人が持つ技の全ての結晶で、市場に出回ることはほとんどない幻の酒でした。


フルーティな吟醸香とすっきりとした口当たり(淡麗)が大きな特徴で

その多くは冷酒で召し上がるのがおすすめ。

場合によっては燗酒で飲まれる方もいらっしゃいますが、それはお好みでどうぞ

特定名称 原料 精米歩合 麹米の使用割合 味や香りなど
大吟醸酒 米、米麹、醸造アルコール 50%以下 15%以上 吟醸造り、特有の香味、色ツヤが特に良好
吟醸酒 米、米麹、醸造アルコール 60%以下 15%以上 吟醸造り、特有の香味、色ツヤが良好
純米大吟醸酒 米、米麹 50%以下 15%以上 吟醸造り、特有の香味、色ツヤが特に良好
純米吟醸 米、米麹 60%以下 15%以上 吟醸造り、特有の香味、色ツヤが良好
特別純米酒 米、米麹 60%以下または特別な製造方法 15%以上 香味、色ツヤが特に良好
純米酒 米、米麹 - 15%以上 香味、色ツヤが良好
特別本醸造酒 米、米麹、醸造アルコール 60%以下または特別な製造方法 15%以上 香味、色ツヤが特に良好
本醸造酒 米、米麹、醸造アルコール 70%以下 15%以上 香味、色ツヤが良好

火入れ(ひいれ)

蛇管(じゃがん)火入れ(ひいれ)とは搾った酒を加熱して、火落菌(ひおちきん)と呼ばれる貯蔵中の酒を白く濁らせ、味の劣化を招く恐れのある乳酸菌の一種を殺菌したり

酒を搾った直後でも勢いがあり、熟成を進み易くしてしまう酵素の働きを止めるため行う加熱殺菌のことを差します。


蛇管(じゃがん)と呼ばれる熱交換器を使用し、温度を60から65度位に保った管の中に酒を通し、急冷する加熱殺菌が一般的です。

また、手作業で手間がかかりますが、お酒を瓶に入れ湯煎殺菌を行う「瓶燗火入れ」も近年積極的に取り入れる蔵元も増えてきました。

これは酒の劣化を出来る限り防ぎ、酒本来の味わいを楽しめる利点があります。


なお、火入れを行わない酒を「生酒」と呼びます。

生貯蔵酒や生詰酒と呼ばれる酒は生酒でなく、搾ってから出荷までの流れの中で、それぞれどこかのタイミングで一度火入れを行った酒です。瓶燗火入れ