2007年11月29日

酒造りの始まりの季節-能鷹・田中酒造へ-

先日、朝早くから海が見える場所を目指しました。
上越市長浜の海
ここは上越市長浜から見える日本海の荒波です。この日はお天気が荒れ模様で、冷たい風と雨が降り続いていました。

その上越市長浜にあるJR谷浜駅前にある日本酒の蔵元・田中酒造さんを訪問するためでした。
能鷹・田中酒造
能鷹(のうたか)」の銘柄で知られる上越市の直江津地区でもっとも有名な蔵元さんです。
その能鷹を販売している私ですが、恥ずかしながら今回初めて蔵元を訪れました。

事務所へ案内していただき、少しお話をしたあと早速蔵の中を見せて頂きました。

蒸米作業の真っ只中
蔵の中では「蒸米」作業の真っ只中でした。
甑(こしき)と呼ばれる大きな「せいろ」を使用し、今年採れたばかりの酒米を蒸します。
普通のご飯のように炊くのではなく「蒸す」のが特徴ですね。
湯気の中専用のスコップを用い、蒸しあがった酒米を放冷機へ移します。

蒸しあがった酒米
その蒸しあがった酒米を頂きました。おこわご飯の様な硬さで、食べても良いということでしたので口の中へ…蒸したては噛めば噛むほど味が出る私好みでした。

麹
白い粒々はその蒸した酒米を麹室で麹菌を付け「麹(こうじ)」となったものです。
酒造りにはこの「麹」が大事で、これを造るためには手作業でとても手間がかかります。

発酵途中のもろみ
タンクの中では発酵途中のもろみがブクブクをまるで生きているように音を立てていました。
このブクブクが落ち着くとアルコール度数20度のお酒の誕生です。
その後、搾り機にかけタンクなどで貯蔵されます。

酒の1升瓶
瓶詰め場ではきれいに洗浄された1升瓶が保管されていました。何だか絵になるなと思い撮影しました。

蔵人の方々
今回案内して頂いたのは営業の馬場さん(左手)
今の時期は蔵の中が忙しいので、早朝出勤され蔵人としても頑張っていらっしゃいます。
右手は田村さん。私と同じ世代で、今年から新潟市にある清酒学校へ通い本格的に酒造りの勉強をされています。
酒造りには知識も必要ですが、それ以上に経験が左右される専門職。
お二人とも忙しい中、ありがとうございました。

数時間の滞在でしたが、じっくりと蔵の中を見せて頂き勉強になりました。
この時期の蔵の中はお酒の良い香りが漂い、蔵人が忙しく造りに没頭されています。
大事な時期に見学させて頂きこの場を借りてお礼申し上げます。

ご覧のように機械化される酒造りではなく、人の手が大きく携わる造りを能鷹・田中酒造さんはされています。
手間はかかるけど、美味しい酒を造りたい…
蔵の姿勢が伝わってくるそんな時間でもありました。

寒い夜はお燗酒で温まりたくなりました…

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能鷹をはじめ上越地域のお酒を取り扱っています。
新潟上越 地酒の店 かじや
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2007年03月11日

斗瓶取りを体験しました。

先日、地元上越の蔵元「妙高酒造」で越乃雪月花の純米大吟醸の斗瓶取りと中取りの作業を体験してきました。

数年前から酒販店の皆さんが集まり、蔵元と協力して特別に仕込んだ純米大吟醸酒の搾りの作業を行い販売しておりました。
私は今年からその作業に参加させて頂くこととなり、初めての経験で少々緊張気味での訪問でした。

当日は地元上越の酒販店の方をはじめ、新潟市、柏崎市や千葉、愛知など県外の方もいらっしゃっていました。

もろみ
このもろみを搾ります。
通常の自動圧搾機を用いず、もろみを袋に入れ滴り落ちる雫を集める方法で搾ります。これを斗瓶取り(とびんどり)といい、大きな圧力を掛けないのでまろやかな味わいのお酒が搾れるのです。各蔵元では大吟醸酒などの品評会出品酒などを中心にこの方法が取られ、とにかく人の手がいる作業です。

袋にもろみを入れる作業
袋にもろみを入れる作業から始まりました。
もろみが入ったタンクの下の取り出し口からもろみを袋に入れます。コツが掴めるまで袋に入れる量の加減が難しかったです。
もろみが入った袋の口を紐で縛ります。
作業している部屋では日本酒の良い香りが漂います。

袋を手渡しで別のタンクに運ぶ
その袋を近くの別のタンクまで手で運びます。
タンクは人の背丈位あり、上にいる人に手渡しで袋を渡します。結構重いです。

棒に紐で縛り吊るす
一人が袋を持ち、もう一人がタンクに渡した棒に紐で縛ります。タンクの中に袋を吊るすのです。そうすることによりもろみの自重で酒が滴り落ちてくるのです。

斗瓶取り
これが斗瓶(とびん)です。
1.8リットル=1升で10升が1斗(18リットル)入る瓶です。
タンクの下の取り出し口から滴り落ちた酒をこの瓶に移します。
ここまでが斗瓶取りという作業です。結構手間がかかることを実感できました。
出来立てのこのお酒を試飲しました。香りが素晴らしく、口に含むと華やかさが一層増します。後味はキレがあり素晴らしい出来だと思いました。

数時間酒が搾れるのを待ちます。
その間は平田杜氏による講義です。

日本酒の味のバランスとは?ということで1時間ほどの説明がありました。

日本酒度計1日本酒度計2

講義の中で始めて日本酒度計という秤を見ることができました。
日本酒度は、日本酒の甘辛度を表す数値です。
左の浮秤(ふひょう、うきばかり)と呼ばれる秤を右のようにメスシリンダーに入れた清酒に入れ、プラス・マイナスの数値を見ます。

少し難しい話になりますが、
4℃の純水と15℃の清酒は比重が同じだそうで、純水を基準とし日本酒度±0とします。
一般的に甘口の酒は糖分が多いので比重が重くなりマイナス方向に、辛口の酒は逆にプラス方向に傾きます。ただし、日本酒にはそれ以外の成分(酸度やアミノ酸度など)の関係もあり、日本酒度で単純に甘口・辛口とは言えない部分があります。酒屋さんで表記されている場合がありますが、購入の際は一応の目安として考えてください。酒の味はそれだけ複雑で幅が広いのです。

講義は難しかったですが、勉強になりこれからに生かしていけそうなことばかりでした。

講義の後は
中取りの作業です。
撮影は忘れました。作業に没頭です。

斗瓶取りで吊るしてあった袋を槽(ふね)と呼ばれる搾り機に移します。もろみが入った袋を槽に入れ、上から軽く重しをのせます。槽の下の口からは搾られた酒が出てきます。

大きな圧力を掛けて搾っていないので、これも試飲すると斗瓶取り同様たまらなく美味しかったです。

朝8時すぎから始めた作業はお昼頃に終了し、お昼のお弁当を頂きました。
豚汁
蔵の中は基本的に寒いです。温かい豚汁がとても美味しく、体が温まりました。

今回搾った越乃雪月花 純米大吟醸はこの作業に参加した酒販店のみで今月末頃発売します。
斗瓶取りと中取りの2種類あるのですが、新潟上越 地酒の店 かじやでは斗瓶取りの1.8リットルの発売を予定しております。
詳細はまた後日に。
贅沢な純米大吟醸を味わうチャンスですよ。


2007年02月23日

再び丸山酒造場へ行って来ました。

再び丸山酒造場へ行って来ました。
前回訪問させて頂いた本蔵の隣にある蔵にまだ行ったことが無かったので、社長がお時間をさいて私に説明して下さったのです。

訪問した当日は暖冬らしく春のような陽気でした。
隣りの蔵には社長と一緒に徒歩で向かいました。思わずそのまま散歩に行きたくなるようですねと二人で笑いながら。

本蔵の隣りにある茜蔵
始めてみる蔵にチョッと感動し、しかし今まで知らなかった自分に反省でもあります。
左手に精米場があり奥が蔵です。
茜蔵(あかねぐら)
蔵の名前は「茜蔵(あかねぐら)」と言います。本蔵の西にあり、蔵から茜色の夕日が沈むことから現社長が名付けたそうです。茜という文字に西も含まれ、社長のセンスの良さがわかります。

蔵の中に入るとすぐに
佐藤紀晃杜氏
丸山酒造場の佐藤紀晃杜氏にお会いすることが出来ました。雪中梅の製造に関しての総責任者です。
私はお会いしたのは2度目だと記憶していることを伝えると、杜氏も覚えていらっしゃって嬉しかったです。
照れながらも撮影に応じて頂きありがとうございました。

佐藤杜氏は全国新酒鑑評会金賞受賞の常連であり、酒造りのレベルの高さに定評がある方です。
杜氏のオーラを感じました。

その後、社長直々に造りの流れに沿って説明をして頂きました。
麹室では、出麹(でこうじ)と言われる完成直前の麹に出会うことが出来ました。
出麹を待つ
箱麹(はここうじ)と呼ばれる木製の容器が並んでいます。
麹造りは最初の重要なポイントで、丸山酒造場は昔ながらの手作業にこだわります。蔵は機械に頼る部分もありますが、人の手が携わる部分は大切にしております。
酒米が麹に変化する
酒米が麹菌によって白く変化しているのがわかります。米のデンプンを糖化させていく役割が麹にはあります。
香りを確認した後、口に含むと不思議な味わいが広がります。滅多にできない経験です。

一通りの蔵の説明を受けると本蔵へ戻りました。
その途中で外にある興味深いものが
茅葺き屋根に使う茅
本蔵の裏にある母屋の茅葺き屋根に使用する予定の茅だそうです。このように干してあるのは理由があるのでしょうが、聞くのを忘れてしまいました。最近ではなかなか見ることが出来ない田舎の風景です。

本蔵での社長とのお話に華が咲いてしまい、気が付いたら夕方でした。
夕焼け
外に出ると丁度夕日が沈む瞬間でした。
急いでレンズを交換し撮影。眩しかった~
これが茜色の夕日だと感じました。不思議なタイミングで見ることが出来ました。
しばらくそれを見てお店に戻りました。

夏になったらその母屋を見させていただく予定です。


2007年02月21日

改めて勉強が必要だと感じました。

先日、妙高山や越乃雪月花の蔵元・妙高酒造で勉強会がありました。
上越・越乃雪月花の会の会員が集まり、蔵元の見学と品質管理のための実技研修が行われました。
ビン燗製法
越乃雪月花の特徴であるビン燗製法の作業現場です。当日は作業が無かったので説明を受けるのみです。
機械ではなく人の手による作業なのでコストは掛かりますが、ここでのひと手間が完成する日本酒の味や香りに大きく影響するのです。

続いて越乃雪月花のもう一つの特徴である低温熟成のための大きな冷蔵庫の見学です。
低温冷蔵庫ニューヨーク出荷用の越乃雪月花
ビン燗をした後の酒をこちらに運び静かに眠らせます。数ヶ月の熟成期間でさらに美味しくなります。右の写真はニューヨークなど海外へ出荷用の越乃雪月花・純米です。ビンの色が国内と異なります。

精米場
こちらは精米するための機械です。酒造りのためには通常ごはんとして食べる米とは違い高精白する必要があります。玄米を100として通常のご飯の精米が90~92%に対し、酒米は少なくとも70%で大吟醸クラスになれば35%位まで精米します。
精米具合を確認する
精米した酒米を杜氏が確認していました。高い精米歩合になるほど米は丸くなります。

蔵の見学がひと段落した後は小売店の実力が試される?きき酒です。
品質管理のためのきき酒研修
前回の勉強会でも行った酒の劣化による風味をみるためのきき酒の研修です。
意図的に劣化させた酒を口に含み味や香りをみます。予め用意された香りの特徴が書いてある書面を参考にどんな香りがするか当てるテストです。
「木香様臭」「ムレ香」「アセトアルデヒド臭」「カプロン酸臭」……日本酒独特の香りの欠点をさす用語です。
研修用の酒が並ぶ平田正行杜氏
そのあとはアルコール度数を高い順に並び替えるきき酒です。14度~19度と1度ずつ変化させたアルコール濃度を舌で感じなければなりません。もうこの頃には舌はアルコールで酔ってしまっています。

しかし、妙高酒造の平田杜氏は口に含んだすぐに判断できます。きき酒の上達は回数をこなす事といつも言われています。大事なのはメモを取ることだとその場で言われましたが・・・いや~難しいです。

約1時間、自分の舌と鼻をフル回転させましたが、散々な結果に終わりました。答え合わせの時間に香りや味の特徴を必死で覚えました。でも難しいです。

数時間の勉強のあとは会場を移して懇親会です。
社長、杜氏、営業の方を交え今後の展開や酒の話で盛り上がりました。飲み物は日本酒オンリーと思わずビールが飲みたくなりますがそこはチョッと我慢。

結構飲んだけれど次の日は二日酔いにはなりません。なぜなら「和らぎ水」という名の水を途中でこまめに飲んだからです。日本酒の飲む合間に飲む水は胃の中でアルコールを薄め、体への負担が少なくなるのです。バーで飲むときに出てくるチェイサーと同じ意味があります。
家庭でもすぐ出来るので実践してみてください。
夜の高田駅
帰り際、夜の高田駅を撮ってみました。三脚もないし、酔っているので手ブレがひどく使える写真は限られてしまいました。

売るための知識と舌の訓練がこれからも必要だと感じた一日でした。


2007年02月10日

丸山酒造場に行って来ました。

当店の地元の蔵元・丸山酒造場に行って来ました。
そう「雪中梅」で有名な蔵元です。当店から車で5分チョッとの距離です。
雪中梅の丸山酒造場
商品を取りに行ったり、仕出しの料理を運んだりとこの玄関までは何度も行っているのですが、中にお邪魔するのはこれが2度目だと思います。1回目は十数年前にこの蔵が完成した頃、社長に連れられて来ました。そのころは特に日本酒に興味も無い頃でしかも未成年だったような…
地元でありながら蔵の中の様子をしっかりと見たことが無かったので造りで忙しい時期なのに無理を言ってお邪魔したのです。

玄関脇の仕込み水 玄関の置物
玄関の右脇には敷地内にある井戸から汲み上げられた仕込み水が出ています。この水は酒造りに適した硬度1.0未満の超軟水ですごく美味しいです。この水が味わいに大きく影響してきます。 玄関に入ると置物がありました。恐らく1升ビンをわらで巻いたのだと思います。蔵元らしくて良いです。

その後社長にお会いして、社長室へ…何だか緊張。。そう一人で行ったので。
世間話から今年の造りまでお話をした後、造りの現場へ案内して頂きました。

始めに行ったのは
酒米を蒸す作業をしている場所です。
酒米を蒸す作業
約60パーセントまで精米した酒米を洗米、浸漬(水につける事)したあと蒸します。そう普通のご飯は炊きますが、酒米は蒸すのです。
おこわのような蒸米
おこわのような硬さの蒸米を食べさせて頂きました。出来立てで美味しかった~

それから造りの流れに沿って麹室(こうじむろ)へ。
麹をつける作業をするお部屋です。木で囲まれて蒸し暑いのです。この環境が麹菌が活動するには最適なのです。そうですね…真夏の蒸し暑い日のような感じです。
ココから写真は撮れませんでした。なぜならこの麹室にカメラを持ち込んだ後からレンズが曇り撮影不可能となってしまったから。目に焼き付けることにしました。

麹室では麹屋さんと呼ばれる専属の職人さんを中心に蔵人が先ほど蒸した米を手で広げ、麹菌をつけていきます。そう、手作業なのでこの環境での労働は厳しいものが。普通に見ているだけで汗ばむのですから…

麹室を出るとスゥッと涼しさを感じます。
その後、発酵途中のもろみを見せていただきました。日本酒特有の良い香りが充満しています。
発酵途中のもろみ
まるで中に生き物がいるかのように「ボコッ、ボコッ」と発酵している音が聞こえます。写真はだいぶ落ち着いたもろみですが、タンクに仕込んだばかりのものは上まで泡が充満していました。

香りも仕込んでからの日数で変化しているのを感じることが出来ました。ただ、まともに香りをかぐと咽ます。なぜならガスも出ているから。タンクに落ちたら酸欠で死亡する可能性もあるのです。

造りの流れに沿って次は上槽(じょうそう)という作業場へ
出来上がったもろみを絞る作業のことを指します。絞ると薄くにごった日本酒が出てきます。これを10日ほどタンクで落ち着かせ上澄みを取り出すと普段見たことのある清酒となるのです。

そのタンクの部屋は異空間です。大きさは自分の背丈よりはるかに大きい…6m位だったかな。とにかくデカイです。

一通り見せて頂いたあとは社長室に戻りお話をしました。
蔵のすぐ脇には自然がいっぱい
蔵のすぐ脇には自然がいっぱい

お話の中で三和をはじめとする上越の自然の良さと自家井戸のことが印象的でした。
私も都会生活をしたことがあり、こちらに戻り生活が始まった頃は田舎の不便さや効率の悪さが不満でした。しかし、今は田舎ならではの良さを感じて自然とこちらでの生活が居心地が良いです。
蔵元の裏には昔から変わらない姿があります。
蔵元の裏には昔から変わらない姿があります。

また、井戸の話では枯渇しないように汲み上げる量を増やさないようにしているとのことです。酒造りには水が必需品です。そう、水が無くては出来ないしとても大切にされているという印象がもてました。

水のことを考え生産量を増やさない。
それはその先のことを考えての蔵の姿勢です。
もちろん造りは昔ならではの手作業を崩さないようにしているのをこの目で確認しましたし、当店の実店舗をはじめネットショップでの販売の数量制限がお客様に理解していただけると思います。
蔵は田んぼに囲まれた場所にあります。
蔵は田んぼに囲まれた場所にあります。

また、近いうちに敷地内にもう一つある蔵にお邪魔することをお願いして帰ってきました。
その日に吸収した情報を店に戻ってお客様に説明できることが何だか嬉しいです。地元の蔵元だからやっぱり愛着があるし大事にしていきたいと思います。

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